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ガニさんは、ガニの部分と同じ色のお花に好感を持った。



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ガニさんは 無類のコーラ好きらしい。書にしたため ハンコ押す程に。
しかし ウイイレやる時は ビールがいいらしい。




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名は体を表し 形態は機能を啓示する。それは ガニさんも例外ではない。 特にジャンケンにおいて それは実如に現れる。ガニさんは基本的にチョキなので グーで勝てる。それでもガニさんは ジャンケンを挑むし 挑まれれば受けて立つ。例え負けると分かっていても。 それでも物凄くたまに 勝つ時がある。そんな時ガニさんは 優しさとか譲り合いの心に 胸を打たれる。



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そもそもガニさんにハサミが必要なのか という問いにガニさんはこう答えている。「これは世間一般的に言うハサミじゃないんだ。ハサミ的な事ではあるけれど。」というわけで ガニさんもハサミを使う。 しかし使いたい時にほぼ無いらしい。使ったら元あった場所にしまうのが基本だが、それでも無い事が多いとガニさんは言う。初めのうちは あまりの無さ具合に苛々しながら探していたが最近はすぐ諦めるらしい。

「そうかいそうかい さようなら。」

そんなわけで ガニさんはハサミをたくさん持っているが、なぜか使いたい時に全て失踪するらしい。ちなみにセロテープ、消しゴム、ホッチキス。シャーペンの芯もよく失踪するらしい。



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ACアダプターをやってるコウサクさんは言った。「俺、タコ足配線を阻止したいんだ。危ないからさ。」無駄に微妙にデカイなぁと思っていた僕は、少し自分を恥じた。




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「ちょっと手の中でギュッとしてくれたら、もう少しだけ頑張れるよ。」電池をやってるの菊さんの言う通りにしばらくギュッとしてからリモコンにセットして電源を入れてみると、ミニコンポのスタンバイランプが点灯した。本当だ点いたよ菊さん、とプレイボタンを押したがもう反応はなかった。念のためにもう一度手の中でギュッとしてやってみたが、あれが最後だったらしい。菊さん、おつかれさま。でも菊さんは充電式なので、数時間後にはまた元気良くリモコンから信号を飛ばすらしい。



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いつもうまく剥けないんですよ。まだまだ未熟者っスと僕は言った。「未熟だって言うのは単なる言い訳だ。」ナベさんはそう言ってこの筋を一回ちぎってから思い切って下に引くんだと言った。「ちなみにわさび醤油で食うと旨いからよろしくな。」旨かったし、未熟を言い訳にしないと決めた。



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 僕は桜井に前から気になってたんだけど何の缶なのと聞いてみた。「え、中身?」そう言って桜井はパカッとフタを開けた。「空だよ。空。何も入ってない。」何も入ってないの?と僕は驚いた。何も入っていないのにフタをしている意味があるのだろうか。「うん。だめ?」だめじゃないけどと僕は言ったが、いまいち納得がいかない。そんな僕の訝しげな様子を察した桜井はすぐに「何も入ってないからさ、何でも入れられるじゃん。」と言ってニカッと笑った。僕はそうだね、何でも入れられるっていいねと言った。素晴らしい事なのかもしれないと思った。



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しげちゃんは容赦ない。「ウイイレはシューティングゲームだ。」しげちゃんはそう言って指をパキパキ鳴らした。僕はしげちゃんに8-0で負けた。何もさせてもらえなかった。



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「友達ってどこからが友達?」中島さんはセロテープが変な風に切れてくっついてしまってそれを爪でカリカリ剥がしながら僕に尋ねた。僕は、やきそばを食べた後に歯海苔チェックできるのが友達じゃないですかと言った。「私に歯海苔が付いていたら、言ってくれる?」僕はもちろんと答えたが、中島さんとやきそばを食べる機会なんてあるのだろうか。



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「へー、テクノポップいいね。」きよしさんはそう言って砂時計を逆さまにした。きよしさんは随分昔から頻繁に地球へ来ている宇宙人の一人らしい。「地球は相変わらず青いし、海は塩辛い。」きよしさんの星は、焼酎に沈んでいる梅干みたいな感じらしい。いまいちよく分からない。「ガニさん、これ貸しといて。」きよしさんは僕が最近買ったテクノポップとポップパンクのCDを手にとった。僕はいいですよと言ったが、きよしさんに何かを貸して返ってきたためしはない。きっとまた同じものを買うなり貸りるなりする事になりそうだ。



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「まんじゅう作ったんだけど、食べる?」


ウソツキはそう言ってまんじゅうの様な物を見せてきたが、それがまんじゅうかどうかは疑わしい。何せウソツキの嘘は、巧妙で有名なのだ。ちなみに中身は何なのか聞いてみると「あ?昨日の残り物だよ。」と、ふてぶてしいポーズを見せた。食べるの?食べないの?と二択を迫るウソツキに少しだけいらいらしながら、でも決して態度には出さずに「昨日の残り物って、何?」と聞いてみた。ウソツキは顔を真赤にして憤慨しながら

「ビブラートとめぐり逢いとたくあんだよ!」

と怒鳴った。どうせ嘘に決っているんだけど、もしウソツキが僕を喜ばすために
このまんじゅうを作ったとしたら、と想像して、まんじゅうを食べることにした。「初めから食べるって言えばいいのに!」ウソツキは僕にまんじゅうを手渡すと、味の感想も聞かずにプリプリしながら帰っていった。

結果的に、たくあんの味は分かったけれど、ビブラートとめぐり逢いについてはよく分からなかった。おししかったかといえば、普通だった。たぶん、ウソツキは嘘をついていない。僕は疑って悪かったなと反省した。

と、ウソツキは思っているに違いない。だから僕は、巧妙にまんじゅうを食べたフリをしただけ。馬鹿だなウソツキはと、ウソツキはきっと思っているだろうから、僕は本当にまんじゅうを食べのだ。しめしめ。


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「、、、あんまり好かれてはないよね。」グリーンピースマンはそう言ってうつむいてしまった。僕は彩り的に良いと思うし、ほんのり塩を利かせたグリーンピースご飯結構好きだよと言った。「、、、ありがとう。なんかごめんね。」グリーンピースマンは申し訳なさそうに言った。僕は謝ることなんか無いよ全然、とグリーンピースマンをポンと叩いた。グリーンピースマンはコロコロと転がりながらまたねーと言って帰っていった。僕もまたねーと言ったが、また、があるのだろうか。本当はそんなにグリーンピースって食べないから。



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 ガニさんは夢日記をつけているらしい。常に枕元に小さいノートとペンを置いて。2/21ウインナーに追いかけられる 滝をのぼった所でタッチされる落としたハンカチ拾ってくれた いいウインナー 僕の勘違いウインナーにあやまる 仲直り




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 よっさん便はこの辺の地域の宅配的な役目を担っている。基本的に善意(趣味的な感じかもしれない)なので全て無料だが、鳥のささ身なんかをお礼にプレゼントすると喜ばれる。あんまり重い物とか遠方へお願いするのは気が引けるのでそういう時は民間の宅配業者に依頼するらしい。



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「別に罠じゃないぜ。お前の注意力が散漫なんだよ。」

タンスの角はそう言って、にやりと笑った。一言注意してくれてもいいんじゃないか。僕はそう言って足の小指をもみもみしながら床をのた打ち回った。「甘ったれるな!現実は容赦ないんだよ!」ガニさんは誰にもぶつける事ができない悔しさと怒りと痛みに、耐えた。「世界は、理不尽が渦巻いているのだ!」タンスの角はどこか誇らしげにそう言った。



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 駅に行く途中の坂を少し上った所に、白い小屋みたいな喫茶店がある。しじみ茶房だ。ここではコーヒーを飲まず、チャイを飲む。理由はたった一つ。チャイの器を作ったのが僕だからだ。学生の頃に作ったその器を、マスターは今でも大切に使ってくれている。チャイを飲みながら眼下に見える電車の往来を眺めていると現実と自分の内側の境界で、時間が確実に過ぎていく事を客観的に感じることができる。今自分が機能してなくても、世界は確実に動いていく。そんな事を考えている自分に酔っているとマスターが新作のパスタを考えたんだけど、試食してくれないかと言った。「どんな感じのパスタなんですか?」マスターは体をムキムキさせながら「基本はニンニクオイルベースでブロッコリー、玉ねぎ、茄子、ハムが入ってる。」普通に美味しそうだけど、新作って言うほどの新しさがは無くないですかと僕は言った。「これに、チャーハンが付くんだ。」「、、確かに斬新ですね。」結局僕は、パスタとチャーハンを試食という名のもとにタダで食べたわけだが、物凄くお腹いっぱいで、しばらく炭水化物はいらない感じだ。



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ガニさん「今日はカレーを作るぞー。」玉ねぎ「、、、そっかー。」ガニさん「、、、おししく作るよ。絶対。」カレーは、おいしかったらしい。



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 翌日のうんこマン「ガニさん、昨日はどうも。」ガニさん「、、、えっと、、。」翌日のうんこマン「僕だよ。昨日、玉ねぎでもあった。」ガニさん「おお、昨日の玉ねぎかー。」翌日のうんこマン「うん。正確に言うと、個を失った代わりに、複合体として融合を果たした後の、総体としての個、と言ったところだけれど。」ガニさん「何だかややこしいね。」翌日のうんこマン「そうかもしれないね。ところで、昨日のカレーはおいしかった?」ガニさん「うん。おいしかったよ。飴色になるまでゆっくり、じっくり炒めたからね。」翌日のうんこマン「そいつは良かった。それじゃ。」ガニさん「うん、またね。」翌日のうんこマンとカレーの話をしたガニさんは、ちょっと複雑な気持ちになった。



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変な風に切れちゃったテープ「、、、まだ使えるってば。」丸めて捨てようとしたガニさんの動きが止まった。変な風に切れちゃったテープ「、、、役に立ちたいんだよ。」すまん そう言ってガニさんは変な風に切れちゃったテープを うまい具合に調節して封筒に使った。変な風に切れちゃったテープ「ありがとう。役に立てて嬉しいよ。」ガニさんは変な風に切れちゃったテープのひた向きな姿勢に少し胸を打たれた。



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せんべー爺「決してのりだけ先に喰ってはならぬ。決して。」ガニさん「何でですか。」せんべー爺「絶妙なハーモニーを失ってしまう。」ガニさん「のりを口に含みつつ、せんべいを食せば同じでは。」せんべー爺「口答えするか。全くもってけしからん。」せんべー爺「貴様の様な奴は、のりと醤油せんべい別々に買って喰え。若輩者め。」違いのわかる男への道は 険しく遠い。



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足長ペンギンのスカーレットがバレンタインデーだよ と 新巻鮭を釣ってきたくれた。磯の香りがした。


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米つぶマン「米つぶマン参上!」ガニさん「おお!米つぶマンだ!」米つぶマン「やあ!」ガニさん「おお!」米つぶマン「またね!」ガニさん「おう!またね!」米つぶマンは靴下にくっついて どこかへ出動していったらしい。



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MD playerのケイコさんに8年ぶりに会った。ケイコさんは疲れた顔で「結局アタシって、何だったんだろ。」と言って煙草に火をつけたが「あらガニさん病気で煙草やめたんだっけね。」と灰皿に煙草をクシュクシュと押し付けた。僕は、もう平気だからかまわず吸ってよと言ったがケイコさんは吸わなかった。僕は気に入ってる曲を結構MDに焼いてあるから今でもたまにMDを聴いているよと言った。「ありがとう。何だか忘れられていく事が寂しくて。しょうがない事なのにね。」

忘れていた事を覚えているうちはまだいい。忘れている事さえ忘れたら、寂しいとも思わない。僕は嘘をついた。最近MDは聴いていない。



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光学式マウスをやってる原島君が光センサーを目に照射するいたずらをするので
遠くに投げたらしい。



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